「沖縄に届く活躍を」「目標は世界一」全国高校総体柔道準V 渡名喜風南さん 両親が南風原出身


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全国高校総体女子48キロ級準決勝で相手を倒して有効を奪う渡名喜風南=2013年8月10日、福岡市民体育館(金良孝矢撮影)

 両親が見守る中、最後まで諦めず戦った。10日に福岡県の福岡市民体育館で行われた全国高校総合体育大会の柔道女子48キロ級で、沖縄県出身の両親を持つ渡名喜風南(ふうな)選手(18)=東京・修徳高3年=が準優勝を飾った。「全国制覇」はかなわなかったが、観客席から声援を送った父庸吉さん(47)と母和美さん(48)ら家族は「よく頑張った」と成長に目を細めた。

 中学校の同級生でもある庸吉さんと和美さんはともに南風原町出身で、現在は神奈川県相模原市在住。庸吉さんは20歳のとき、就職を機に神奈川県へ移り住んだ。

 4人姉妹の末っ子、風南さんが柔道を始めたのは小学校低学年のころ。「テレビでヤワラちゃんの試合を見て、かっこいいと思った」のが理由だ。柔道の強豪、修徳高では「日本一になりたい」との一心で、厳しい稽古に励んできた。

全国高校総体で準優勝し、両親の前で涙ぐむ渡名喜風南(左)=2013年8月10日、福岡市民体育館(金良孝矢撮影)

 今回初めて出場した全国総体は、得意の寝技を次々に決めて勝ち上がった。決勝は、国際大会優勝経験もある選手と互角に戦ったが惜しくも敗れた。畳から降りた後、うずくまって悔し涙を流した風南さん。表彰式では笑顔も見せたが、家族に出迎えられるとまた涙があふれた。

 賞状とメダルを手にした娘に庸吉さんは「感無量」といい、和美さんは「最後まで粘った。よくやったね」と頭をなでた。将来の目標を「世界一」と力強く語った風南さん。両親も「沖縄にも届くような活躍を」と、期待を胸に夢を支える。(大城周子)