【南城】南城市大里平良の工房で、県内で駆除されたサメの革を使って皮革製品づくりに打ち込む金城立磨さん(26)が、青年版国民栄誉賞「JCI JAPAN TOYP 2021」(日本青年会議所主催)の準グランプリに輝いた。社会に持続的なインパクトを与える可能性を秘めた若者を表彰する賞で、授賞式が3日、東京都内で開かれた。
金城さんは「素晴らしい賞をいただいた。これからもサメ革で誰かのために役立つ商品を作り、社会に貢献したい」と意気込んだ。
今年TOYPに応募したのは405人。金城さんはその中からファイナリストの20人に選ばれ、準グランプリを受賞。同時に農林水産大臣奨励賞とNHK会長賞も受賞した。身近な課題に向き合いながら、ものづくりに励む金城さんの姿勢が審査員から評価を得たという。「厄介者のサメを、魅力あふれる商品によみがえらせることができるという思いを、多くの人に伝えることができた」と笑顔で語った。
金城さんは2019年にブランド名「cafooca(カフーカ)」を立ち上げた。自ら県内各地の漁港に出向き、駆除されたイタチザメの皮を剝いで、県外のなめし業者に加工してもらい、財布やバッグなど約200点の「サメ革」でできた皮革製品を生み出している。6月27日には工房に隣接するコンテナショップをオープンさせた。商品の売り上げの一部は工房の近くにある「島添の丘」などの児童養護施設や首里城再建の寄付に充てている。
今後の目標について聞いたところ「異なる業種でものづくりに挑む職人の方々とコラボしたサメ革の商品を作りたい」と意欲を見せた。
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