渡名喜銀メダル 1年越しの快挙に歓喜、南風原の祖父ら「風南は誇り」


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渡名喜風南選手の決勝戦での奮闘に拍手を送る祖父の庸善さん(前列中央)と親戚ら=24日午後7時26分、南風原町大名

 東京五輪2日目の24日、沖縄関係選手の活躍に親族らが沸いた。柔道女子48キロ級で銀メダルを獲得した、両親が南風原町出身の渡名喜風南さん(25)の親族らは祖父・庸善さん(83)の自宅に集結。一喜一憂しながら、画面越しにエールを送った。

 柔道女子48キロ級の渡名喜風南さんが日本勢で第1号となる銀メダルを獲得した。風南さんの活躍を南風原町の自宅から見守った祖父の庸善さん(83)は「本人は悔しい気持ちを持っていると思うが、世界2位はすごい。よく頑張った。風南は渡名喜家の誇りだ」と労をねぎらった。

 風南さんのトロフィーが所狭しと並ぶ庸善さんの自宅には、風南さんのいとこに当たる庸市さん(34)や庸太さん(24)など親戚6人が駆け付け、画面越しにエールを送った。風南さんの両親はじめ祖父など親戚はみんな、南風原町出身。テレビは世界選手権などで活躍する風南さんの五輪代表入りを想定して一昨年に購入した。新型コロナウイルス感染拡大で1年越しとなった五輪観戦に、親戚一同「間近で風南を見ることができて良かった」と笑う。

 庸善さんらによると、4人姉妹の末っ子として生まれた風南さんは、8人いる孫の中で一番負けず嫌いな性格。柔道をやっているのは風南さんのみで、幼少の頃にはいとこ同士で相撲を取るなど活発な子どもだったという。

 8月1日生まれで沖縄の風をイメージする名前の風南さん。生まれも育ちも神奈川だが、2~3年に1度の頻度で沖縄に遊びに来るという。2017年の世界選手権を制覇した際には、庸善さんらと南風原町役場を訪れ、世界王者になったことを報告した。現在、新型コロナにより行き来が難しい状況が続くが、庸善さんは「コロナが落ち着いたら胸を張って沖縄に来てほしい。じいちゃんは風南が銀メダルを取ったことがうれしい」と笑顔を見せた。

 親戚の中で一番風南さんと年が近い庸太さんは「東京五輪が延期となり、本人はいろいろ苦労したと思う。金メダルにあと一歩届かなかったが、3年後のパリ五輪で頑張ってほしい」と話した。