速度の遅い台風6号の影響が続いたことによる航空便の大幅欠航などで、交通や宿泊施設の予約率が高まっていた7月22~25日の4連休の観光実績は低調となった。
全日本空輸(ANA)は台風6号が沖縄地方をゆっくりと通過した21~23日の3日間にわたり、沖縄関係路線が終日運休した。3日間で計356便、4万1540人の輸送に影響が出た。24日も台風が先島地方に停滞したことから那覇―宮古、那覇―石垣など計9便が欠航した。
日本トランスオーシャン航空(JTA)と琉球エアーコミューター(RAC)は20~24日に計362便が欠航し、搭乗予定だった1万7194人分がキャンセルとなった。
名護市のネオパークオキナワでは22日からレッサーパンダの一般公開を始め、連休中は1日千人以上の集客を目指していたが、数十人程度しか来園しない日もあったという。広報担当者は「レッサーパンダも公開されたのに、台風が重なり残念だ」と話した。
那覇市内のあるシティホテルは、4連休に約8割埋まっていた予約がキャンセルとなり、客室稼働率は35%程度だった。沖縄や首都圏の感染状況が落ち着かないことから、従来なら繁忙期である8月の稼働も5~6割程度と見込む。
総支配人は「現状では緊急事態宣言を出し続けても意味がない。手法を変えてワクチン接種がスムーズに進む仕組み作りをやった方が良い」と話した。
伊良部島のリゾートホテルは、宮古島とつながる橋が閉鎖されたため、安全面を考えて連休中は予約客にキャンセルを呼び掛けた。客室稼働は80%程度を見込んでいたが、宿泊は1、2組程度しかなかった。一方で、8月の宿泊客数はコロナ前の19年比でも20~30%増となる見込み。7月全体としても稼働率は65~70%となっている。
国内都市部の密を避ける形で離島の観光需要が高まっていると見られ、ホテルの担当者は「今後ワクチン接種を終えた人が旅行に来る。宮古島バブルは戻ってくるだろう」と話した。