酒税軽減の延長を 酒類業協が沖縄県に要請 期限明記し段階的削減


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄県酒類製造業連絡協議会(会長・嘉手苅義男オリオンビール会長)は30日、県庁に玉城デニー知事を訪ね、2022年5月に期限を迎える県産酒類に対する酒税軽減措置について、終了期限を明記した上で期限延長を要請した。泡盛は24年5月から段階的に軽減率の削減を進め、10年後に軽減措置を終了することを提案。ビールは5年後の27年5月までの酒税軽減の適用を求めた。

玉城デニー知事(中央)に、ビールは2027年まで、泡盛は32年までの酒税軽減措置延長を求める県酒類製造業連絡協議会の嘉手苅義男会長(左から2人目)ら=30日、那覇市泉崎の琉球新報社

 嘉手苅会長は「県民の酒税負担の軽減と、県内酒類製造業の育成による県経済の発展のためにも、延長をお願いしたい」と述べ、酒税軽減の“最後”の延長に向けて県の協力を求めた。

 玉城知事は「オリオンビールも泡盛も、世界に挑戦する可能性を十分持っている。業界をしっかりバックアップしていきたい」と話した。

 要請では、35%の軽減措置を受けている泡盛業界は、24年5月まで現行の軽減措置を続け、その後は規模に応じて段階的に削減し32年5月で終了することを提案している。

 軽減率の段階的削減は酒造所の経営規模を考慮して、県内出荷量が200キロリットル未満の小規模酒造所は10年間35%軽減を維持し、200~1300キロリットル未満の中堅酒造所は24年5月から30%、26年5月から20%、29年5月から10%とする。1300キロリットル以上の大手は、24年5月から25%、26年5月から15%、29年5月から5%とする。

 20%の軽減措置を受けているオリオンビールは、今後5年をめどに株式公開を目指すことから、27年5月での適用終了を求めた。自立に向けて、5年間で設備投資などを進める。

 県酒造組合の佐久本学会長は要請後、報道各社の取材に「50年間恩恵を受けてきた。コロナで多くの人が困っている中で、われわれだけいつまでも特別措置を受けてはいられない。業界として1年前から議論を続けてきて、ベストではないがベターとして合意は得られている」と話した。