「子どもの命は誰が守るのか」子が普天間第二小に通っていた宮城さん 第3次爆音訴訟で訴え


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宮城智子さん

 【中部】2017年に米軍ヘリの落下物があった、宜野湾市の緑ヶ丘保育園と普天間第二小学校に子どもが通っていた宮城智子さん(52)=市普天間=が29日、第3次普天間爆音訴訟の第1回口頭弁論で意見陳述した。

 学校施設などの上空を飛ばないとされる日米合意の飛行ルートが守られず、米軍機の飛行で授業が中断される現状を訴えた。「子どもたちの遊びの権利、教育・学ぶ権利が侵害されていると言えませんか。沖縄では決まりも人権も無視されている」と指摘した。

 埼玉県で生まれ、8歳ごろに市長田へ引っ越し、02年から普天間に住む。当初は米軍機の音に驚きつつ「基地があるのは当たり前。日常的な騒音はしょうがない」と思っていた。しかし17年12月、5歳の長女が通う保育園と12歳の長男が通う小学校で落下事故が相次いで発生。わが子の命が危険にさらされる現状を受け、「この状況を変えたい」との思いで訴訟に初めて加わった。

 法廷で初めて証言することに緊張したが、裁判官を見詰め基地被害の実情を訴えた。

 米軍関係の事件事故が起きるたび市民や県民は声を上げるが、聞き入れられない現状に触れ「県民市民、子どもたちの命を誰が守ってくれるのか」と述べた。裁判官に「一日も早い改善策を一緒に考えていただきたい」と要望した。