全国高校総合体育大会・北信越総体第9日の2日、長野県松本市で行われたテニス団体女子の沖縄尚学は初戦の2回戦で城南学園(大阪)に2―1で勝利した。3日の3回戦で札幌光星(北海道)と対戦する。男子の沖縄尚学は1回戦で高崎商大付(群馬)に3―0で勝利したが、2回戦は松商学園(長野)に0―2敗れた。
「カモン!」。真夏の日差しが照りつけるコート上に、2年生の堀江菜実の声が響いた。
沖縄尚学は初戦のシングルス。3年のエース、倉岡彩夏が2―8でゲームを落とし、出鼻をくじかれた。伊賀上瑛穂(3年)と清水真央(2年)のペアが8―5で勝利し、1勝1敗。勝負を決する一戦に登場した堀江は、力強いフォアハンドショットを連発。長いラリーでも粘り強さを見せ、ポイントを重ねた。中盤に追い上げを許す場面もあったが、終わってみれば8―4のスコアで、チームの初戦突破をたぐり寄せた。
試合後、堀江は「強気に行こうと思っていた。攻めるテニスはできたと思う」と手応えを口にした。
強豪ひしめく大阪を勝ち上がった難敵が相手だっただけに「簡単な試合にはならない」(平良和己監督)と覚悟を持って臨んだ。その予想通り、倉岡が「団体戦の雰囲気と相手のペースにのまれた」と苦戦を強いられる展開だったが、堀江のはつらつプレーで挽回した。薄氷の勝利を得た後には、平良監督から「本来の力を出せていない」と叱咤(しった)も飛んだ。
堀江は「ゲーム中盤で気持ちが切れる場面があった」と反省点も口にした。勝利を逃した倉岡は「1回戦の壁はなくなった。明日は自分のプレーをする」と静かに闘志を燃やした。
(安里洋輔)