辺野古新基地反対「命を守る会」西川元代表が回想録 「若者に問い続けたい」


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回想録執筆の経緯を語る、「命を守る会」元代表の西川征夫さん=7月29日、名護市辺野古

 【名護】名護市辺野古の新基地建設反対を訴えてきた「命を守る会」=2015年解散=の元代表の西川征夫さん(77)が7月25日、回想録「新ヘリ基地建設 辺野古住民の闘い」を発刊した。回想録は「命を守る会」の反対運動や、辺野古区民、関係機関の動きを写真も交えて紹介している。

 回想録執筆のきっかけは2019年2月の県民投票だった。投開票の結果は新基地反対が約72%だった。だが、その後も工事は進められ「投票結果が良かった、万歳ではなく、命を守る会で闘ったおじぃ、おばぁのためにも若者に記録を残したい」との思いで同年3月から執筆にあたった。命を守る会で所有していた、大量の新聞切り抜きや写真などの資料を活用した。

 新基地建設計画が浮上した時は容認していた西川さん。97年1月、辺野古公民館で開かれた「海上基地問題を考える会」で考えが変わった。普天間基地の現状、基地が市民生活に与える影響について説明があった。

 当時の思いを「基地負担の重大さを初めておぼえた。子や孫の時代に負の遺産を残すことになる。絶対に阻止しなければならない」とつづっている。区民の間で基地建設反対の思いが強くなり、その後「命を守る会」を結成した。

 回想録は全255ページあり、150ページ以上は基地建設工事の様子や、現場で抗議活動を展開する人々の写真だ。西川さんは「基地ができるまでに私は生きていない。死ぬ前に基地ができた方が良いか悪いか、若者たちに問い続けたい」と話した。回想録は税込み2500円、購入などの問い合わせは西川さん(電話)080(1738)2627まで。