10日に開幕した全国高校野球選手権に県代表で出場する沖縄尚学は、大会第4日の13日第3試合(午後1時開始予定)で徳島県代表の阿南光と初戦を迎える。2大会連続で9度目の夏の甲子園の地を踏む沖縄尚学と、再編統合される前の新野以来、25年ぶり2度目出場の阿南光。両校の県大会の成績を基に攻守の特徴をまとめた。
沖尚、活発打線に好守備
<攻撃力>
沖縄大会は毎試合2桁安打と打線は活発。仲宗根皐は打率6割1分1厘で飛び抜けている。修正力があり、場面で細かく対応できる。続く3割7分5厘の後間翔瑚は3盗塁を決めた。四球を含め、リードオフマンとして高い出塁率を誇る。春から課題としてきた「つながる打線」を実現し、どこからでも起点にできる勝負強い打線に仕上がった。長打が自慢の知念大河や大城稜雅の一打にも期待がかかる。
<守備力>
技巧派左腕の當山渚は内外に鋭く切れ込むスライダーを武器に、沖縄大会は21イニング1/3で無失点。3回戦でノーヒットノーランを達成した美里大雅や昨秋の県大会で活躍した後間翔瑚といずれも経験豊富。1試合当たりの失策と失点はいずれも1以下で守りも堅い。長濱諒、仲宗根皐の二遊間は守備範囲が広く、外野は俊足ぞろいで失点を防ぐ。
阿南光、堅守に光り
<攻撃力>
チーム打率は2割9分9厘で、上位打線は3割超。徳島大会で4割6分2厘の島崎立暉と4割1分7厘の矢野隆太の2、3番コンビが好調。両者とも長打だけでなく犠打の成功率や四球での出塁率も高い。主砲の髙木裕介はチーム一の長打力を誇る。中軸は勝負強さも兼ね備える。徳島大会は、単打や犠打でつなぐ粘り強い攻撃でロースコアの接戦を制し頂点に立った。
<守備力>
182センチの本格派左腕エースの森山暁生は最速144キロの直球に加え、ツーシームやカットボールなど変化球にも定評がある。2年生ながらエースとして徳島大会の全4試合で完投。被安打23の29奪三振、3失点。防御率は0・75。そのほか左の岩田真拡、右横手の新田陽生も控える。チームは決勝での1失策とバック陣も強力。二遊間、センターを中心に堅守を貫く。
見どころは?沖尚、打撃に期待
沖縄尚学打線が阿南光の絶対的エース森山暁生をいかに捉えるか。本格左腕の球を見極め、狙いを絞った鋭いスイングを期待したい。俊足好打がそろう沖尚の上位打線は確実に出塁し、長打が期待できる中軸以降へとつなげたい。
徳島大会決勝をサヨナラ勝ちした阿南光は粘り強い攻撃が強み。両チームとも県大会は失策が少なく、ロースコアの展開も予想される。競り合いとなった場合も、沖尚ナインはいつも通りのプレーで対応し、勝ち抜きたい。