今年から全国高校総体の種目となった女子重量挙げ。強さを誇るスナッチで先行した女子55キロ級の比嘉成は、ジャークの最終試技で巻き返された。つかみかけた初代女王の座がするりと手からこぼれ落ちた。それでもスナッチは3回目に成功した81キロで高校新記録を樹立した。トータルでも自己ベストを更新。3位という結果には「これが今の実力」と素直に受け止め、頬を緩ませた。
競技は開始前から上位3人による激しい争い。申告では比嘉が1位をうかがうプラン。スナッチで予定通りにリードした。しかしジャークで中学から好敵手の川﨑(京都)に3回目で1キロ上回られた。ここからスナッチでは3位にとどまった3年の佐藤(神奈川)がジャーク2回目で100キロに成功し、比嘉とは2キロ差でトップに立った。
試技6回全て成功の目標は達成できず、失敗が勝負を分けた。上位の2人を「強かった」とたたえ、特に川﨑には「きょうは負けてしまったけど次こそは。世界ジュニアでも一緒に伸びていきたい」と対抗心を燃やした。 (謝花史哲)
トータルで県高新 男子・永山(糸満)67キロ級3位
重量挙げ男子の67キロ級で糸満3年の永山盛耀がスナッチで自己ベストを更新して3位入賞を果たした。ジャークは失敗もあり自己ベストに挑めなかったが、トータルで自らの県高校記録を塗り替えた。2位との僅差に悔やみながらも「ベスト付近を出せて良かった」と振り返った。
7月ごろからスナッチの動きを見直し、シャフトを持ち上げる軌道を体の近くに寄せた。丁寧さも意識したことで安定して100キロを上げられるようになったという。まだ国体出場の可能性がある中で「1位ともそんなに差はないと思う。技術、力ともに磨いて戦いたい」と雪辱を期した。