選手育成強化が結実 関係者から喜びの声 高校総体なぎなたで県勢が優勝、準優勝


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なぎなた「演技」で県勢対決を制して優勝、喜びを分かち合う知念の(左から)下地花南さん、比嘉七美さん=11日、石川県白山市の松任総合運動公園体育館(ジャン松元撮影)

 全国高校総合体育大会・北信越総体なぎなた競技の演技で県勢が優勝、準優勝する快挙を達成した11日、県内の競技関係者は喜びに沸いた。1987年の海邦国体を機に強化に取り組んだ成果が実を結んでいるとして、感慨に浸った。

 海邦国体のなぎなた会場は与那原町の知念高校だった。当時、同町教育委員会職員で、強化のために与那原町なぎなたスポーツ少年団を立ち上げた瀬底雄子さん(70)は「とってもいいニュース。喜びです」とにこやかに語った。準優勝した首里の大城志歩選手は同少年団出身。「負けず嫌いで頑張り屋さんだった」と振り返った。

 海邦国体時、会場の知念高校に勤務していた眞榮城紀子さん(84)は西原なぎなたクラブを発足。現在は娘の綾子さん(49)も同クラブで教えている。綾子さんら3姉妹はクラブや高校で指導し、優勝した知念の下地花南、比嘉七美選手や準優勝した首里の平安名はな選手も眞榮城一家の教え子だ。綾子さんは「同じ県で優勝、準優勝はなかなかない。家族みんなですごいねって話していた」と、一家を挙げて祝福した。

 県なぎなた連盟の笠原松美理事長は「演技は小さい時から基礎を身につけ、練習を重ねることが大事。小学生のころから競技をできる環境があることが沖縄の強みだ」と、海邦国体以後の取り組みの成果を強調する。さらに「育った選手が指導者として競技に戻り、また新しい選手を育ててくれる。いい連鎖になっている」としみじみ語った。

 12日は個人試合や団体試合が行われる。瀬底さん、眞榮城さん、笠原理事長は「12日も楽しみだ」と、異口同音に期待した。