ジャーク3回目。自己ベストの103キロが高く差し上がった。「取った」。一歩前に出たが、落とさない。女子76キロ超級で本部3年の仲宗根夢来は挙げた瞬間に成功を確信し、思わず頬を緩ませた。スナッチ、ジャークの種目別でも優勝。女子は今年から実施の高校総体で階級を完全制覇し初代女王の座についた。「うれしい」と誇らしく三つのメダルを輝かせた。
2年の時に膝のけがが再発。手術も行い、長く苦しんだ。今年3月の学校対抗選手権でジャーク101キロを成功させたのが1年ぶりの自己記録更新だった。103キロは今回初めて触る重さ。県総体は標準記録の突破に集中して力を抑え「思いっきりいこう」と挑んだ大舞台での会心の試技で記録を伸ばした。
スナッチは1回目を成功させたが、2回目以降、シャフトの振り回しが不十分だった。いい位置に掲げられず前に落として連続失敗。ただ、1回目の75キロで他を圧倒していた。引きずらずにうまく気持ちを切り替えジャークに臨めたことも良かった。
スナッチも果敢に攻めた結果。悔しさはあったが、ひるまず「ジャークで挑戦して良かった」とやりきった。今後も国体など卒業までに「日本高校記録近くまで挙げたい」と現状に満足せず、さらなる成長を誓った。
(謝花史哲)
全国高校総合体育大会・北信越総体第20日は13日、福井県などで8競技が行われ、重量挙げの男子102キロ超級で棚原幹勝(沖縄工3年)が全3種目大会新のトータル285キロで優勝。女子76キロ超級の仲宗根夢来(めぐ)(本部3年)もトータル178キロで優勝。男子102キロ級の比嘉力(同3年)はジャークで大会新、トータルは大会タイ記録の276キロで準優勝した。空手個人形女子の喜屋武柚希(本部3年)は予選上位16人に入ったが、第3ラウンドで敗れた。卓球学校対抗は男子宮古、女子普天間いずれも1回戦で敗れた。