ほぼ完璧な内容だった。男子102キロ超級の棚原幹勝(沖縄工3年)は6回全て成功の安定した試技でスナッチ、ジャーク、トータル全種目で大会新を記録し、3月の選抜大会に続く2冠を達成した。全国総体の県勢優勝は5年ぶり。同じ沖縄工にいた兄の幹善が中国総体105キロ級で取って以来で、最終日最後の最重量級に登場した棚原が鮮やかに大会を締めくくった。
最初から最後までよどみない所作でリズム良くやり通した。袖から出てくると迷いなくプラットホームへ。一呼吸置いて掛け声とともに一気にシャフトを引き上げる。スナッチは1回目から大会新の123キロに成功。競り合う相手の前を行くように申告を変え、自己ベストの130キロも難なく挙げた。ジャークも150キロから始め、3回目で自己ベストタイの155キロにたどり着き、トータルでベストを更新した。元競技者でセコンドに付いた同級生の宮城葵さんも「動きがこれまでと全然違った。とても軽そうに挙げていた」と絶賛。県総体後もコロナ禍で練習時間が減ったことが「逆にリセットされたんだと思う」と強さの要因の一つに挙げた。
兄と同じ舞台で頂点に立てた喜びも重なり「うれしい。本当に周りのサポートが大きかった」と感謝は尽きない。「本調子ではなかった」という中で「よく頑張ったと思う」と自らを褒めた。
(謝花史哲)
全国高校総合体育大会・北信越総体第20日は13日、福井県などで8競技が行われ、重量挙げの男子102キロ超級で棚原幹勝(沖縄工3年)が全3種目大会新のトータル285キロで優勝。女子76キロ超級の仲宗根夢来(めぐ)(本部3年)もトータル178キロで優勝。男子102キロ級の比嘉力(同3年)はジャークで大会新、トータルは大会タイ記録の276キロで準優勝した。空手個人形女子の喜屋武柚希(本部3年)は予選上位16人に入ったが、第3ラウンドで敗れた。卓球学校対抗は男子宮古、女子普天間いずれも1回戦で敗れた。