全国高校総合体育大会・北信越総体第21日は14日、福井県などで6競技が行われ、卓球ダブルスは男女いずれも初戦突破はならなかった。
拳を合わせ励まし善戦 崎原・伊佐組
卓球個人戦女子ダブルスに出場した崎原南歩・伊佐陽花組(那覇)は、1回戦で敗退したものの、息の合ったプレーで第2ゲームを取り、善戦した。卓球部の3年生は2人だけ。プレー中は常に声を掛け合い、ピンチやチャンスでは拳を合わせて励まし合った。
第2ゲームは伊佐がサーブで崩し、崎原の回り込んだフォアで得点を重ね、シーソーゲームを制した。伊佐と崎原は「練習してきた展開で得点できた」と、2人で積んだ練習の成果を実感。さわやかな笑顔で最後の夏を終えた。
強豪に圧倒 猛追及ばず 平良・野原組
卓球個人戦男子ダブルスの平良充・野原勝太組(南風原)は、1回戦で強豪・遊学館(石川)のペアと対戦し、0―3で完敗した。インターハイ初出場の平良は「緊張して何もできなかった」と、ぼうぜんとした表情で試合を振り返った。
第3ゲームは0―7と敗戦濃厚の場面から「思い切っていこう」と気持ちを切り替えた。3連続得点などで5―8まで追い上げたが、最後は圧倒された。野原は「強い選手は同じミスを繰り返さない。沖縄や九州の大会と全国大会はレベルが違う」と話し、全国の壁を実感していた。
伊佐(北谷小出)島根代表として躍動 超攻撃的スタイル貫く
インターハイ卓球競技で団体16強に進出した松徳学院(島根県)で、県出身の伊佐和真(北谷小出)が中心選手として躍動した。1年生ながらダブルス、シングルスに出場し、超攻撃的なプレースタイルでチームを引っ張った。8強は逃したが、全国の舞台で大きな印象を残した。
伊佐は小学校の全国大会に出場した際、松徳学院から声が掛かり、中高一貫の同校へ進学した。
島根県予選は全国上位の常連、出雲北陵に敗れたが、中国各県の2位が集まる大会を制し、初のインターハイ出場を決めた。佐藤拓也監督は「中国大会で広島の強豪に勝てたのは伊佐のおかげだった」と、初出場の功労者に伊佐の名前を挙げた。
13日の1、2回戦はダブルスに出場し、いずれも勝利に導いた。14日の3回戦はダブルスで敗戦。シングルスも2―3で惜敗したが、球を懐深く呼び込んで強烈なバックハンドを放ったり、引いた状態からもフォアで決めに行ったりと、強打で攻め続けた。
伊佐は「小学校の時は攻めてもミスが多くて勝てなかった。ミスに厳しい松徳で練習したことで、自分から攻めてもミスしなくなった。今回は団体しか出られなかったが、次は個人戦にも出て上位を目指したい」と力強く語った。
(稲福政俊)