全国高校総合体育大会・北信越総体第24日は17日、福井県などで7競技が行われた。ハンドボール男子の興南は初戦の2回戦で法政大第二(神奈川)と対戦し、33―23で勝利した。女子の那覇西は水海道第二(茨城)に27―17で勝ち、3回戦進出を決めた。男女ともに16強入り。水泳は長野県で開幕し、男子400メートル自由形の佐和田歩夢(那覇2年)は4分13秒21、女子50メートル自由形の山内稀月(浦添3年)は27秒66でいずれも予選通過はならなかった。
随所で持ち味の速攻 興南、危なげなく発進
興南が危なげなく初戦を突破した。後半開始から10分間は1点しか与えない堅い守りで引き離し、30点台に乗せて圧倒した。目指すは全国一。勝ち上がれば決勝で3月の全国選抜準々決勝で敗れた覇者・徳山商工(山口)とぶつかる。伊禮颯雅主将は「一戦一戦、突き進んでいきたい」と最終戦での雪辱を誓った。
持ち味の速攻が随所で光った。横一線でスタートした守備陣形を徐々に1―5、1―2―3に変更。特に後半立ち上がりは前に出た1枚が素早い寄せで攻め手をアウトへと追いやる。カットインも簡単に許さず、自由にさせない。無理な体勢でシュートを打たせ、ボールを奪い、早い連係で畳み掛けた。
前半は初戦の硬さのほか、相手の変則的な守備に慣れず、序盤こそリードを許したが、早めのタイムアウトで「ディフェンスから締めていこう」と切り替える。5―7から連続8得点で巻き返し、流れを完全につかんだ。
ただ、パスミスが目立ち、シュートまでいけない場面もしばしば。伊禮主将は「途中で自分たちの流れに持って行けたのは良かったが、40得点はしたかった。完成度はまだ60%。一人一人がもっと意識を高めないと」と気を引き締めた。
(謝花史哲)
ファインセーブ連発 GK与座が堅守をけん引
7メートルスロー5本中、許したのは1本だけ。GKの与座晃盛が堅守をけん引した。後半の7メートルスローは3本全てで退場者が出た。数的不利で苦しくなる時にシューターとの駆け引きに勝利して貢献した。
5回目の7メートルスローは右に寄って左側を空けて誘った。相手の放った瞬間に、左足をいっぱいに伸ばしてはじき返した。「自分の打たせたいところに打たせることができた」と納得の好セーブだった。
速攻を止める場面も。「ディフェンスが頑張って簡単に打たせないようにしている」とDF陣の踏ん張りに奮い立った。「守りはできたが、パスミスがあった。それをなくすようにしないといけない」と次戦でさらなる活躍を誓った。
強固な守り、隙与えず 那覇西らしさ存分、完勝
審判の手を何度も上げさせた。那覇西が強固なディフェンスで攻め入る隙を与えず、水海道二の攻撃はたびたびパッシブが予告された。得点機を封じると一気に速攻に転じ、リードを保って勝利。強みの守備力を存分に発揮し、3月の全国選抜で成し遂げられなかった2回戦突破を果たした。
コートプレーヤーの中では165センチと長身の西田ゆいが中央、右隣に同じく165センチの砂川茉穂が入り、相手センターの動きに目を光らせる。枝を張り、西田を中心に横一線が連動して常に壁をつくった。入ってきても強い圧力で挟み込みシュートまでいかせない。時にパスミスを誘い、着実に攻撃の芽をつぶした。
7人攻撃に転じられても動じない。後半には17分間を2失点に抑えた時間帯もあり、点差が離れた終盤も集中力が途切れなかった。砂川は「いつでも準備している」と積極的なパスカットで自陣から1人で持ち込み、10点差とする27点目を挙げた。「ああいう形に持ち込めると相手の気持ちも折れる。うまくカットできた」と振り返った。
次は石川代表の小松市立と対戦する。美東中出身の西田は「中学の時に全国で負けた選手が何人かいる。因縁の相手でもある。今度は負けられない」と8強入りへ闘志を燃やした。
(謝花史哲)