あどけない兄妹、20歳の青年 新たに5人の遺影追加 対馬丸記念館


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新たに寄せられた犠牲者の遺影を掲示する職員=18日午前11時、那覇市若狭の対馬丸記念館

 那覇市若狭の対馬丸記念館で18日、学芸員が1階展示室に掲示されている犠牲者の遺影に、2組の兄妹を含む5人の遺影を新たに追加した。遺影は計401人となった。追加されたのは安里良子さん(8)、安次嶺正子さん(8)、安次嶺眞喜さん(11)、日向貞子さん(12)、日向一雄さん(20)で、年齢はいずれも当時。

 対馬丸記念館によると、日向兄妹の遺影は昨年、遺族関連の資料を整理していた職員が掲示されていないことに気付き、追加された。他の3人は遺族から提供された。

 同記念館の高良政勝館長(81)は「犠牲者のほとんどがあどけない少年少女。戦争は兵隊だけでなく、子どもにまで犠牲が及ぶことを知ってほしい」と、遺影を掲示する意義を説明した。

 対馬丸記念館内に掲示されている遺影は、犠牲者の約4分の1にとどまる。高良館長は遺族、生存者が少なくなっていることにも触れ「周りの関係者に遺影を提供するよう呼び掛けてほしい」と述べた。