FC琉球に学ぶ経営 県三線協同組合が勉強会「見識広め行動に」


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実演家らを前に講話するFC琉球の小川淳史社長=2日、浦添市産業振興センター結の街

 県三線製作事業協同組合は浦添市産業振興センター結の街で2日、「『おきなわの未来の三線文化』創造拠点創出事業」の一つとして、サッカーJ2のFC琉球を運営する琉球フットボールクラブの小川淳史社長を招き、勉強会を開いた。小川社長は、サッカークラブのビジネスモデルを足掛かりに伝統文化の将来を考えるヒントを、実演家ら参加者に伝えた。同事業は「沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業」の一環。

 小川社長は、FC琉球がサッカーのJ2リーグで4位と活躍目覚ましい一方で、大企業が親会社を務めるクラブと異なり、最も営業収益が低い現状を語った。

 その上で、スポンサーになる目的には認知度の向上や自社のブランディングなどがあることに触れ、「(企業、行政、個人でも)単にお金をくれる人はいない。(お金を)もらうためには、何ができるかを考える」と強調。「県産品応援プロジェクト」など、FC琉球の取り組み事例を紹介した。

 続いて、意外な提携の事例として、イタリアの自動車会社による、日本の伝統工芸品を盛り上げる活動をするNPO法人とのプロジェクトを挙げた。企業が想定する顧客と親和性が高ければ、意外な所にもスポンサーがいることを示した。

 首里城再建の時流に合わせた、沖縄文化芸術の復興を図る運動の実施など提言をし、最後は「ぜひ知識を高め、見識を広げ、行動に変えてほしい」とエールを送った。
 (藤村謙吾)