全国高校総合体育大会・北信越総体第27日は20日、福井県などで8競技が行われ、ハンドボール女子は那覇西が準決勝で国分中央(鹿児島)に17―15で勝利した。那覇西の決勝進出は13年ぶり2度目。県勢としては2018年に準優勝した浦添商以来4度目。決勝は21日、福井県営体育館であり、女子では県勢初となる全国総体制覇を目指して名古屋経大市邨(愛知)と対戦する。
窮地に好セーブ連発 GK比嘉楓「絶対に1位取る」
守護神の好セーブがチームの窮地を救った。那覇西は後半中盤、2点差に詰め寄られてから、GK比嘉楓が枠内シュートを4度阻止し、猛追を振り切った。そのままリードを守り、13年ぶり2度目の決勝進出を決めた。比嘉は「夢の舞台。絶対に1位を取りたい」と目を輝かせた。
後半13分すぎから得点がストップ。4点リードから2点連取され、嫌な空気がチームを包んだ。さらに守備の要の西田ゆいが2分間退場に。コートプレーヤーが5人の数的不利の時間帯を支えたのが比嘉だった。
左サイドからの低いシュートを足を伸ばして阻止。直後のパスカットから逆速攻されるピンチにもゴールを死守。7メートルスローの失点で1点差になっても「みんなを助ける。どんなシュートも止める」とくじけない。さらに2連続でシュートを止めた。
比嘉律監督も「あれがなければ負けていた」とうなるプレー。チームの粘り勝ちに「シュートが入らず、いつもなら負けパターン。負けなかったのは良かった。勝てたのは気持ちの強さだと思う」と頑張りをたたえた。
悲願の初優勝まで残り一つ。「自分たちの時間帯をどうつくるかが勝負になる。全国一を目指して戦いきりたい」と選手たちの力を信じて全力をぶつける。
(謝花史哲)
点取り屋の本領発揮 金城
2年前に先輩たちが超えられなかった準決勝の壁。さらに相手は小中を通じて全国の舞台で苦しめられてきた選手がそろっていた。自然と緊張が強まり、調子が上がっていた攻撃が空回りする。その中で金城菜々子が本来の点取り屋の本領を発揮し、何度も苦しい局面を打開した。
ロングシュートを決めたかと思えば、一気に中央突破のカットインでも点をもぎ取った。準々決勝までラストパスの供給役を多く務めていたが、チームの難局に積極的にゴールを狙った。160センチと小柄だが、日本リーグに参戦するザ・テラスホテルズの長身選手と練習を重ねて磨いてきたというロングシュートなどでチーム最多の11得点の活躍だった。
金城は「めっちゃ緊張してしまった。ここが一番の壁だった。あと一個。やるべきことをやっていきたい」と勝利を誓った。