【名護】名護ムエタイスクールの山里真桜(大宮中3年)が、全国から実力者が集まるキックボクシングの大会「A―LEAGUE51 DX」(7月25日、宮城県)で優勝し、3連覇を達成した。同大会で3連覇は初の快挙。来春にはプロデビューを見据えており「世界で活躍できる選手になる」と青写真を描く。
大会は50キロ級に出場した。底なしの体力と素早いフットワークを武器に、持ち前の負けん気で相手を圧倒した。その実力とスター性から、現地の実況では「キック界の安室奈美恵」と絶賛された。
競技を始めたのは小学4年時で、競技者の兄の影響だった。幼少期から素直で飾り気がない性格で、運動が大好き。母の宰(つかさ)さんは「男子とふざけていると、手よりも足が先に出る子どもだった」と笑う。
順位がつくのは遊びでも何でも1番を目指す負けず嫌い。試合前はほぼ毎日、今帰仁村の古宇利大橋を40分間で2往復するロードワークをこなし、厳しい練習に打ち込んだ。ジムの近藤一輝代表は「負けん気が強く、熱い試合を見せてくれる」とうなずく。
総合格闘家の那須川天心に憧れ、中学1年の時にプロ入りを意識した。通算成績は33戦24勝6敗3分け。アマチュアで30試合以上こなす同世代の選手はいない。プロ入りを見据えて、試合勘を磨き続けてきた。結果を残してきたためテストなどは必要なく、来春にプロデビューする。
20日に名護市の渡具知武豊市長を訪れた際は「市の誇りだ。上を目指してほしい」と激励の言葉があった。宰さんは「けがをしないか心配だけど、好きなことをさせてあげたい」と背中を押す。山里は「子どもたちを勇気づけられる選手になりたい」と力強く話した。これからも周囲の期待にしっかり応えていく。
(喜屋武研伍)