レスリング男子 赤嶺60キロ級で3位 友寄は71キロ級5位 全国高校総体


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 全国高校総合体育大会・北信越総体最終日は24日、レスリング男子個人対抗戦が福井県おおい町総合運動公園体育館で行われた。男子60キロ級の赤嶺明柳(めいりゅう)(南風原3年)が準々決勝を勝ち抜き4強入り。準決勝は五味(山梨)と対戦し、Tフォール負けで3位入賞となった。71キロ級の友寄汰志(たいし)(北部農林3年)は準々決勝で林(埼玉)と戦い、2―6の判定で敗れ、5位だった。バスケットボール男子を皮切りに、7月25日に開幕した全国総体は31日間の全日程が終了した。

「勝ちたかった。上に行きたかった」 赤嶺、満足なく悔しさこみ上げ
 

男子60キロ級準々決勝 両足首を固めて回転しポイントを重ねる南風原の赤嶺明柳(左)=24日、福井県おおい町総合運動公園体育館(謝花史哲撮影)

 崩しから流れるような動きで足をつかみ、足首を固めて3回転。準々決勝で守りに入る相手に対し、残り1分の逆転劇で赤嶺明柳(南風原)が3位以内を確定させた。しかし準決勝で、これまで二度敗れている五味(山梨)が立ちふさがる。「勝ちたかった。もっと上に行きたかった。負けて知る悔しさ…」と言葉を継げなかった。3位に満足感はない。こみ上げるのは悔しさだけだった。

 準々決勝は細かくポイントを取って守りに入る相手を追う形に。2点を先取され、残り時間が減っても「必ず取れる」と焦りはなかった。粘り強く何度も首根っこを押さえつけ、左からの崩しが決まる。相手が左に大きくよろけた一瞬の隙を見逃さない。後ろにつくと「足がそろったのが見えた」と両足首をがちっと固めて一息に回しきってポイントを重ねた。

 幼少から始めたレスリング。南風原高での練習に通い、先輩たちの姿に憧れて競技を続けてきた。中学まで芽は出なかったが、嘉手納太監督が認める「バランスの良さ」で、選抜に続き総体でも3位に入るまでに力を伸ばした。選抜と7月の全国グレコで敗れた五味に雪辱を果たすことができなかったが、嘉手納監督は「1点を取って守るような戦い方でなはく、今大会は一貫して攻め続ける姿勢を見せた。その結果の負けというだけ」と評価し、今後の成長を期待する。大学でも競技を続け、今度こそ2位以上を狙う。
 (謝花史哲)

友寄力負け「崩せなかった」

男子71キロ級準々決勝 最後まで前に出て組み手を仕掛ける北部農林の友寄汰志(右)

 力負けだった。友寄汰志(北部農林)は準々決勝で「崩しきれなかった」と狙った仕掛けができないまま、ポイントを奪い返すことができず試合が終了した。

 判定負けに沈み「優勝を狙っていた。メダルも取れなかった」と5位入賞も笑顔はなかった。

 初対戦の相手。切り返しや力をそらすうまさもあった。それでも中盤、下から抱きかかえられてからの投げを防ぎ、組み付きを切ると、攻勢に出た。横について足に手を掛け、背後を狙うと相手は場外に。1―4に詰め寄った。

 その後も積極的に前に出ようとしたが、思うように崩せず、狙っていたがぶりの体勢にも持ち込めない。終盤に行くにつれ、指取りや顔に手を伸ばしてけん制する相手の技術にも苦しんだ。最後まで懸命に前に出たが、届かなかった。

 東京五輪で屋比久翔平の姿に感動した。先にポイントを奪われての逆転勝利に「忍耐力がすごい」と刺激を受けた。

 全国総体では憧れの先輩のようにはできなかったが、同じ舞台に立ちたいという夢を胸に秘める。険しい道のりに向け、今回の経験を糧に「人の倍は練習しないと」と地道に強化を図り、トップを目指し続ける。
 (謝花史哲)