沖縄の観光客4~9月は140万人見込み 21年度OCVB見通し 前年同期比44%増


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 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は25日、2021年度上期(4~9月)の入域観光客数と観光消費額の見通しを発表した。入域観光客数は前年同期比44・0%増の約140万人と20年度に比べて増加したが、新型コロナウイルス感染症発生前の19年同期(534万人)との比較では73・8%減の大幅減少となると予測している。観光消費額は前年同期比38・5%増の1211億円だったが、19年同期(4856億円)比では75・0%減と見通した。

コロナ前比は73%減

 同調査は、OCVBが県内ホテルへの聞き取りや、航空会社から提供された情報に基づいて分析した。入域観光客数と観光消費額はともに前年同期を上回る水準で推移しているが、コロナ発生以前との比較では依然として大幅な落ち込みが続いている。下地会長は「昨年4~5月は全国的に初めて緊急事態宣言が発令され、自粛ムードが相当高かった。1年経過して徐々に慣れてきて、結果的に入域客数が増加した」と説明した。

 県では4月12日からまん延防止等重点措置が適用され、5月23日から緊急事態宣言も発令された。緊急事態宣言は延長を重ねて既に3カ月以上続いており、観光業は甚大な影響を受けている。4~6月の実績は19年同期比64・0%減の62万人で、7~9月の見込みは同61・0%減の78万人だった。

 下地会長は「緊急事態宣言の延長に伴って、観光産業は非常に厳しい状況が続いている。県内の感染拡大を抑えることが観光振興にとって不可欠で、業界としてまずは感染防止にしっかり取り組んでいきたい」と述べた。

 沖縄への修学旅行については、4~8月に県内で修学旅行を実施した学校は26校だった。今後の見通しについて、「出発地近場への方面変更」が増えているほか、一部が冬期(1~3月)へ延期する動きも見られたという。OCVBはキャンセル校へのフォローアップや、沖縄文化に精通する事前・事後学習アドバイザーの派遣などを取り組んでいる。