2年ぶり夏の舞台!輝いた県勢、27競技に出場 全国高校総体総評


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なぎなた「演技」で県勢対決を制し優勝、喜びを分かち合う知念の(左から)下地花南、比嘉七美=11日、石川県白山市の松任総合運動公園体育館

下地・比嘉(知念)沖縄対決制す/なぎなた演技
友利(那覇西)女子円盤制覇
棚原(沖縄工)、仲宗根(本部)栄冠、表彰台多数/重量挙げ
那覇西 惜敗準V/女子ハンドボール

 福井を中心に石川、富山、長野、新潟、和歌山の各県で行われた全国高校総合体育大会「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」が24日、閉幕した。新型コロナウイルスの影響で昨年は中止となったため2年ぶりの開催で、県勢は27競技に出場した。感染症対策で各会場は無観客開催となった。選手らにも検査が求められるなど、厳しい環境下で熱戦を繰り広げた。今大会の県勢選手の活躍を振り返る。

女子円盤投げ決勝、45メートル40の記録で優勝した那覇西の友利晟弓=7月30日、福井市の9.98スタジアム

■“お家芸”で力発揮

 2019年の南部九州総体で結果を残した“お家芸”のなぎなたは、期待通りの活躍を見せた。演技決勝は知念の下地花南・比嘉七美ペアと首里の平安名はな・大城志歩ペアによる県勢対決となり、知念に軍配が上がった。知念は19年の総体に続く優勝となった。2年前に優勝を経験した先輩たちが、昨年の中止で目標を絶たれる中、モチベーションを維持してきた後輩たちが底力を発揮した。個人試合では首里の大城が準優勝した。

 重量挙げは5年ぶりに優勝者を輩出した。男子102キロ超級で棚原幹勝(沖縄工3年)がトータル285キロの大会新で頂点に。今回から全国総体の種目となった女子は76キロ超級を仲宗根夢来(本部3年)が制して初代女王に輝いた。男子は102キロ級の比嘉力(同3年)が準優勝、67キロ級の永山盛耀(糸満3年)が3位でメダルを獲得。女子は55キロ級で比嘉成(本部1年)が3位になるなど、東京五輪で県勢2人が活躍した競技で、伝統県の強さをアピールした。

■コロナ禍も躍動

 新型コロナの影響で多くの制限を受ける状況下で、県勢は懸命に戦い結果を残した。県内で感染拡大が続き、県外との交流ができず力を試す機会がないまま本番を迎えた。それでもハンドボール女子で、前回大会3位の那覇西が持ち前の堅守速攻を発揮し決勝に進出。準優勝に輝き“ハンド王国”の健在ぶりを示した。

 カヌーは男子カナディアン種目で沖縄水産のメンバーが躍動した。レスリングは練習相手が県内に限られて難しい試合となったが、2人が上位に食い込んだ。相撲とボクシングでも強さを見せ、柔道団体は男子がトーナメントを勝ち上がった。テニスでは沖縄尚学が男女で持ち味を発揮した。

男子102キロ超級 スナッチ3回目で自己ベストの130キロを高く掲げる沖縄工3年の棚原幹勝=13日、福井県小浜市民体育館
女子76キロ超級 ジャークで自己ベストの103キロを挙げ、頬を緩ませる本部3年の仲宗根夢来=13日、福井県小浜市民体育館

■陸上で上位入賞

 陸上は女子円盤投げの友利晟弓(那覇西2年)が前評判通りの活躍で全国一を射止めた。向かい風の中で行われた決勝で自己ベストの45メートル40を投げた。伊良波中2年だった2018年のジュニアオリンピック、20年10月の全国高校陸上に続いて3度目の全国制覇となった。男子400メートルは平川慧(コザ1年)が決勝まで残り、47秒96で3位となった。上原琉翔(北山3年)は1500メートル予選で3分49秒92の自己ベストで自身の持つ県高校記録を更新した。

 選手たちは厳しい練習環境でも好成績を残した。今大会の経験を今後に生かし、さらに成長することが期待される。

準優勝に輝き「ナハニC」ポーズの那覇西のメンバーら=21日、福井県営体育館