沖縄予算2998億円 概算要求に自民が了承 新たな振興打ち出す


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
内閣府

 【東京】内閣府は26日、2022年度の沖縄関係予算を2998億円とする概算要求案を自民党の沖縄振興調査会(小渕優子会長)に提示した。年末に決定する当初予算案は10年ぶりに3千億円を割り込む見込みだ。沖縄振興一括交付金は、21年度当初予算と同額の981億円に据え置いた。事業別では、社会資本整備の関連予算が大幅減となった一方で、「子どもの貧困」「人材育成」といった分野では予算増や事業の新設が相次いだ。酒税軽減措置の「廃止」も明記され、日本復帰から50年の節目での「新たな沖縄振興」を打ち出す国の姿勢が鮮明となった。

 小渕氏は「われわれが指摘した課題にしっかり配慮されている。メリハリのきいた予算案だ」として同案を了承したと明かした。会合では、内閣府から、沖縄振興審議会の意見具申、内閣府が示した新たな沖縄振興策の「基本方向」についても説明があったという。

 概算要求案は「沖縄子どもの貧困対策事業」に21年度当初予算(15億円)から4億円増の19億円を盛り込んだ。産業振興として「沖縄産業競争力強化・人材育成推進事業」を新設し、18億円を求める。税制改正要望では、酒税の軽減措置について「段階的廃止」を明記した。泡盛、ビールの軽減率を段階的に引き下げる。泡盛は10年後、ビールは5年後にそれぞれ廃止する。

 概算要求には、予算を明記しない事項要求も含まれるが、21年度概算要求は3106億円で予算は3010億円で決着した。

 沖縄関係予算を巡っては、安倍晋三前首相が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を容認した仲井真弘多元知事に対し、21年度までの毎年3千億円台の確保を約束していた。21年度は3106億円を求め、当初予算は4年連続同額の3010億円だった。