新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、県内に在住する外国人から県国際交流・人材育成財団(OIHF、宜野湾市、與座博好理事長)に寄せられた相談が急増し、2020年度を上回るペースで推移している。相談内容では、雇い止めや賃金未払いなどの労働問題や、失業後の在留資格などに関する問い合わせが最も多かった。雇い主からのパワハラの相談も増加している。コロナ禍で生活に困窮している外国人の実態が改めて浮かび上がった。
OIHFは19年度から外国人の相談受付を本格的にスタートした。初年度の相談件数は年間100件だったが、20年度はコロナの影響で、相談件数は前年度比倍増の200件に伸びた。21年度に入っても感染の収束が見込まれず、現在、すでに100件超の相談が来ている。相談内容は依然として労働問題や在留資格が多く占めているという。
同国際交流課の根来(ねごろ)全功課長は「相談はハイペースで増加している。20~60歳まで年齢にばらつきがある。このままのペースで行くと、本年度は250件を超えるだろう」と深刻な状況を語る。
相談内容別の詳細な件数は公表していないが、根来課長によると、昨年度は雇い止めの相談が多かった。本年度は外国人労働者の自主退職を狙ったと思われる雇い主からのパワハラについての相談などが増加しているという。相談内容によって、同財団が通訳を派遣して当事者と労働局に同伴することもある。
県内に在住する外国人の労働トラブルなどを解決しようと、同財団と沖縄労働局、福岡出入国在留管理局那覇支局の3者はこのほど、「在住外国人の労働・生活環境向上に向けたパートナーシップ協定」を結んだ。根来課長は「専門機関と情報交換して相談に対応していきたい」と話した。
外国人の相談は無料で、詳細はOIHFのホームページhttps://kokusai.oihf.or.jp/