航空自衛隊那覇基地は3日、同基地の2カ所の泡消火専用水槽から、高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)の一種、PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)を検出したと発表した。1リットル当たりの合計がそれぞれ46万3400ナノグラムと1万4540ナノグラムで、国の暫定指針値(両物質の合計が水1リットル当たり50ナノグラム)を大きく上回り、最大約9200倍に当たる。
2月に航空自衛隊那覇基地で発生した泡消火剤流出事故を受けて実施した水質調査で、5~6月に基地内水路と泡消火専用水槽を調べた。泡消火専用水槽は泡消火剤を薄めて使うための水道水をためておく水槽で、基地内に計8カ所ある。空自那覇基地は3月から調査を続けており、今回事故と直接関係のない水槽2カ所も対象に加え調査したところ検出した。空自那覇基地は「原因は分からない」とし、汚染水に関して焼却処分を含め措置を検討する。
京都大学の原田浩二准教授(環境衛生学)は「本来含有されないはずの水槽からPFOSが検出されたということは、汚染源が存在する可能性があり、今後も広がる恐れがある」と述べた。水路からも72~122ナノグラム(PFOSとPFOA合算)が検出された。