子どもの貧困「改善不十分」 沖縄県最終評価報告書案 目標値20%に届かず 


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 沖縄県の各部局長が参加し、子どもの貧困対策の施策を検証する沖縄県子どもの貧困対策推進会議(議長・玉城デニー知事)は6日、県庁内で2021年度第1回会議を開き、16年度に開始し、21年度が最終年度となっている子どもの貧困対策計画を総括する最終評価報告書案を示した。困窮世帯の割合は改善したものの、目標値の20%には届かず「改善状況は十分と言えない」とまとめた。今後の展開方向として、若年無業者やヤングケアラーなど、新たな課題への対応を挙げた。

 県は16年1月、独自に算出した子どもの困窮世帯の割合を29・9%と発表した。その後は子どもの年代ごとに調査し、「小中学生」は18年度に25%、「高校生」は19年度に20・4%、「未就学児」は20年度に22%と発表していた。

 最終報告書案は、計画で掲げた41指標の改善状況を示した。「放課後児童クラブ平均月額利用料」(1万115円から9239円に低減)、「生活保護世帯の子どもの大学進学率」(30・8%から40・6%に上昇)など11指標を「達成」と判断した。目標未達成だが「改善」と判断したのは26指標。「達成」と「改善」で指標全体の約90%を占めた。

 高校卒業後の進路未決定率は全国平均並みを目指したが、改善せず「横ばい」とした。「高校中退率」「不登校生の相談割合(高校)」「就学援助世帯の児童の虫歯の未受診者割合」の3指標は「後退」と判断した。

 最終評価報告書案は10月に開催予定の有識者会議に諮った後、最終決定する。報告書を踏まえ、21年度中に第2次計画を策定する予定だ。