【南城】沖縄県南城市佐敷津波古区(高江洲順達区長)にある津波古公民館では、3日から子どもたちに朝食を提供する子ども食堂が始まっている。津波古区民らでつくる「馬天おいしい会」(渡辺正会長)が主催。初日の3日には、児童や保護者らが公民館を訪れ、笑顔を見せながら朝食を取った。
馬天おいしい会は子ども食堂を拠点に世代間交流を行う取り組みとして、今年5月に同会を立ち上げた。社会活動家の湯浅誠さんが理事長を務めるNPO法人全国子ども食堂支援センター・むすびえの助成を受ける。渡辺会長は「湯浅さんが取り組む、すべての子どもを受け入れる子ども食堂のあり方に共感した。子どもたちが気兼ねなく食事を楽しんでいけるようにしたい」と話す。
子ども食堂は1日に付き30食限定。子どもは無料、大人も200円を支払えば食べられる。3日のメニューはしょうが焼き。新型コロナウイルスの感染防止のため、間隔を空けて食事を提供した。
弟と一緒に朝食を取った女子児童は「とてもおいしかった。お母さんが朝忙しい時に食べに行きたい」と喜んだ。同区に住む瀬底正吾さん(35)は息子の飛磨さん(8)、娘の花音さん(4)と訪れた。瀬底さんは「公民館で子ども食堂ができるのはとても素晴らしい」と絶賛した。渡辺会長は「コロナ禍で地域の行事が中止になり、子どもたちが地域の大人たちと交流を深める機会が少なくなった。短い時間を利用して、世代間交流が生まれたら」と期待した。
子ども食堂は毎週月曜と金曜に実施しており、子どもは午前7時~7時45分、大人は午前7時45分~8時半に食事を提供する。祝日の場合は休み。