育休中の孤立感を解消、学びの機会に ワダチラボが女性向けオンライン講座


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「産後うつに陥る女性は少なくない。仲間と楽しくつながりながら、子育てとキャリアアップの両立を目指してほしい」と語る福島知加代表=3日、浦添市のワダチラボ育休スイッチ事務局

 女性の社会進出が進み、出産後も働き続ける女性が増える中、産休や育休によるブランクで社会復帰への不安を抱いたり、社会から断絶されたと感じ孤立感を抱いたりする女性は少なくない。キャリアコンサルタントなどを手掛けるワダチラボ(浦添市)は、育休中の女性を対象としたキャリア開発オンラインスクール「育休スイッチ」を立ち上げ、第1期生を募集している。同社の福島知加代表(36)は「育児休業を楽しく、キャリアアップにつながる学びの機会にしてほしい」とエールを送る。

 同社は今年2月、婚歴を問わない男女212人を対象に、育休がキャリアに与える影響についてアンケートを実施したところ、約8割が「マイナスになる」と回答。未婚女性に限ると、ほぼ100%が「マイナスになる」と回答した。

 「出産前までは営業や人事職に就き、超キャリア志向だった」と語る福島代表は、2児の母。仕事中心の生活が長かったため、自らも産休・育休がキャリアの妨げになるのではないか、漠然と不安を抱いていたと振り返る。

 そうした中、気持ちを切り替えるきっかけとなったのが、育児中の時間を活用し取得したコーチングの資格だった。「人との接点で孤立感が解放されたし、何より資格取得が自信につながった」という。

 自身の経験を基に立ち上げたオンラインスクールは、産後3年以内なら誰でも参加できるようにした。80種のカリキュラムは受講し放題で、ビジネススキルや接客英会話などキャリアに直結したスキル習得ができるものから、子育てや美容・健康など心と体を整えるものまで多岐にわたる。

 受講期間は通常6カ月で費用は税込み6万円だが、10月1日開始の第1期生は同額で9カ月間受講できる特典が付く。定員30人。サポーター企業も募集する。

 産休・育休中の女性はただでさえ孤立しやすい環境にあるが、新型コロナウイルスの影響で傾向がさらに強まっているという。福島代表は「同じ子育て中のママとつながり、楽しくキャリアアップを目指しながら自分らしい生き方を実現してほしい」と呼び掛けた。
 (當銘千絵)