コロナ禍で注目!電動自転車の売れ行き好調 通勤通学やツーリング、運動不足の解消も


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50台以上の電動アシスト自転車をそろえるイーバイクオキナワ。店長の伊波寛人さんは「店から話を聞いたり試乗したりして、自分に合った商品を買ってほしい」と話す=8月31日、那覇市若狭

 新型コロナウイルス感染症の影響で、感染リスクの低い移動手段として自転車の売れ行きが好調だ。特に電動アシスト自転車が注目を集め、比較的高価格にもかかわらず県内でも売り上げが2倍に達する専門店が出るなど普及が進む。坂の多い地域でも簡単に上れるため、通勤通学をはじめ、ツーリングなどレジャーとしての活用も広がっている。

スポーツ性の高いEバイクなどを取りそろえる沖縄輪業。スタッフの森豊さんは「交通ルールを守って楽しんでほしい」と語る=8月26日、南風原町兼城

 帝国データバンクによると、2020年度の国内自転車販売市場(事業者売上高ベース)は2100億円を超えて過去最高を更新。中でも電動アシスト自転車は5年前から販売台数が5割伸びている。

 こうした電動アシスト自転車の人気は県内でも高まっている。専門店「イーバイクオキナワ」(那覇市)では、2020年の売上高が前年のおよそ2倍を計上し、今年も2倍に達しそうな勢いを見せている。

 店内には常時50台以上を展示し、ほとんどの自転車が試乗できる。価格帯は9~70万円で、15~20万円台の商品が売れ筋。コロナ禍をきっかけに、30、40歳代の働き盛り世代が通勤用に購入することが増えている。免許返納の機会に購入する高齢者もいるという。

 店長の伊波寛人さんは「車の渋滞はひどいし、コロナで運動不足という方が購入することが多い。購入は初心者が多いが、『誰かに押してもらっているよう』と驚く人もいる」と魅力をアピールしている。

 那覇市と南風原町で3店舗を運営する沖縄輪業でも、昨年から南風原店に特設コーナーを作り、さまざまなタイプを展開する。

 30万円以上でスポーツ性の高い「Eバイク」も人気があるという。スタッフの森豊さんは「体力が衰えてもツーリングを楽しみたいという高齢者がEバイクを購入している。アシストが効いていてもしっかり運動することができるし、環境にも優しいことでも、世代を問わず選ばれている」とメリットを強調する。

 沖縄輪業でも売り上げは好調で、20年8月時点では対前年同期比20%増加し、今年8月現在の成績も前年を超えているという。

 森さんは「息を切らさず快適に景色を楽しめ、坂の多い沖縄にぴったりの自転車。交通ルールを守りながら、多くの県民が電動アシストを含め自転車に親しんでほしい」と話した。
 (小波津智也)