ペルーの伝統舞踊「マリネラ」広めたい 沖縄出身の女性、夫婦で世界一目指す


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ペルーの伝統舞踊「マリネラ」の世界大会で活躍する菊田モニカさん(左)と真志さん=2019年世界大会出場時

 ペルーの伝統舞踊「マリネラ」の世界チャンピオンを目指し、本場ペルー北部のトルヒーヨ市に移住した、沖縄県出身の菊田モニカさん(28)=旧姓・城間=と、夫で奈良県出身の真志さん(28)。世界大会の国内予選コンクールで7度の優勝を誇り、世界大会に日本代表として出場した経験を持つ。「日本にもっとマリネラを広め、日本とペルーの懸け橋になりたい」と夢を掲げて活動する。

 モニカさんは宜野湾市生まれ。ペルー生まれで県系3世の歌手・アルベルト城間さんと、日米両方にルーツのある母との間に生まれた。20歳ごろまで自身のルーツについて深く考える機会はなかったが、21歳の時に父の勧めで1年間ペルーに留学した。「スペイン語も文化もほとんど分からず、カルチャーショックを受けた。初めて父のルーツであるペルーを知って、家族のことを再認識した」と振り返る。

 同時期に大学休学をしてペルーに留学していた真志さんと知り合い、マリネラにも出会った。二人はペルーで教室に通い、帰国後もそれぞれ稽古を続け、ペアを組んで関東を中心に活動した。2016年に結婚。19年からはマリネラの世界チャンピオンを目指し、修行を目的にペルーのトルヒーヨ市に移り住んだ。表現力や即興性などを重点的に学んでいる。

 移住後初の第60回マリネラ世界大会では早くも練習の成果が現れ、大勢の中から予選を勝ち抜き第1決勝に進んだ。チャンピオンとなるには、第2、第3決勝と勝ち抜き、本決勝に進む必要があり、菊田夫婦の最高成績は第1決勝だった。

 二人は「結果が踊りに出て、本場のペルーで予選を実力で勝ち取って、第1決勝に出場できたことが自信になったし、よいスタートが切れた」と振り返る。同時に「自分たちの実力、世界の壁を痛感した」という。夢は日本にもっとマリネラを広め、日本とペルーの懸け橋になることという。

 「世界チャンピオンは通過点なので、次は第2決勝、第3決勝とかなえていけるように頑張っていく」と目標に向けて熱い思いを伝えた。

(安里玉元三奈美通信員)