沖縄観光「持続可能」「脱炭素」目標に 次の10年へ県が基本計画素案


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 県は13日、第6次県観光振興基本計画の素案を明らかにした。沖縄観光の次の10年の取り組みについて、「世界から選ばれる持続可能な観光地」という将来像が示された。目標の達成に向け、安心安全な観光地域づくりをはじめ、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を活用した観光の推進や、脱炭素・グリーンリカバリー(緑の復興)への対応など、5つの基本施策も公表された。

 第6次県観光振興基本計画の期間は2022年度~2031年度で、新たな振興計画を上位計画とした分野別計画と位置付けられた。自然環境や独自の歴史、文化という魅力を最大限に発揮し「安心安全で快適な島沖縄」の実現も目指す。県民の満足度や観光収入、温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組み状況など社会と経済、環境の3つの視点を計画の目標値にする。

 同日、同基本計画を策定する県観光審議会(会長・下地芳郎沖縄観光コンベンションビューロー会長)の初会合が、那覇市の八汐荘を主要会場にオンラインで開催された。委員からは、新型コロナで大きな打撃を受けた県観光産業への支援策を盛り込むべきという意見が相次いだ。

 日本旅行業協会の東良和理事は「コロナ禍で観光産業が困窮している。次の10年間は事業者にとっての借金返済期間となる」と厳しい状況を説明する。その上で、「観光産業支援策が非常に重要で、観光復興くじや観光産業復興支援室の立ち上げなど、具体的な手法が必要だ」と提言した。