県内大手製造5社がこのほど、琉球大工学部と提携し、同学部に在籍する学生向けに独自の採用活動を実施する。近年、県内大学などで育成する理系人材の県外流出に歯止めがかからないため、5社が初めて採用活動でタッグを組んだ。第1弾として27日と29日の両日、各社の工場を紹介する「オンライン見学ツアー」を同学部の大会議室で計4回開催する。今後、県内他の大学などでも同取り組みを広げていく。
参加企業は、りゅうせきネットワークと金秀グループ、琉球セメント、オカノ、拓南グループの5社。16日、拓南本社人事部の翁長辰伍部長やオカノ総務部の幸喜優里さんらが琉球新報社を訪れ、同取り組みを説明した。
琉球大学キャリアセンターによると、過去5年間で琉大工学部の学部と大学院生の就職先の県内外別割合を見ると、県外が約75%、県内が約25%となっている。県内就職は4人に1人と低い傾向が見られる。
翁長部長は「企業の認知度不足などで、理系人材の採用活動に苦戦している。まず学生に県内のものづくり企業が取り組んでいることを知ってもらい、沖縄にも希望の職種があることを知らせたい」と話した。
これまで、5社はそれぞれ県内大学などで採用活動を行ってきたが、今回の連携は学生にとっても企業情報をまとめて入手できる利点がある。
幸喜さんは「ぜひ多くの学生に参加してもらいたい」と呼びかけた。