日本ハンドボールリーグ(JHL)の第4週第2日は20日、各地で行われ、男子の琉球コラソンは豊見城市民体育館で暫定3位の大崎電気と戦い、29―33で惜敗した。通算戦績は1勝3敗で暫定11位のまま。次戦は10月2日午後2時から岐阜県の感謝と挑戦のTYK体育館(多治見市総合体育館)で暫定2位の豊田合成と対戦する。
勝負どころの試合運びで優劣が出たが、琉球コラソンは昨季3位を相手に何度も攻勢をかける時間帯をつくった。上位と渡り合える手応えをつかんだ。
黄慶泳監督の下で強化してきたスタミナと守備力が機能し始めている。松信亮平を中心に横一線の守りで、運動量豊富な若手がパス間を見定めアグレッシブにボールの奪取を試み、速攻を何度も展開した。開幕から苦しむ選手起用もこの日ははまった。
前半序盤、司令塔の東江太輝のパスミスから連続失点で崩れかけた局面に、若手の佐藤草太を早めに投入。期待に応え得点し、アシストも成功させ立て直した。
上位相手に気迫のこもった戦いを見せた。中でも茨城出身の松信は母の訃報が届いた直後で自然と気持ちが入った。悲しみをこらえてチームを鼓舞。守備専門だった昨季と違い、今季は攻撃にも加わり、後半に得点が止まった時間帯を脱するポストシュートを決めて終盤の粘りにつなげた。
「沖縄が好きな母だった。きっと見てくれていたと思う。大事な一日だった。これからもコラソンを見てくれると思う。まだ始まったばかり。責任を持って頑張りたい」と心身でチームを支え抜く決意を新たにした。
(謝花史哲)
「勝てる試合だった」 石川、古巣に敗れ悔しさ
村田龍と並びチーム最多7得点の石川出は「勝てる試合だった」と悔しさをにじませた。後半中盤のゲームコントロールが勝敗を分けた。かつて所属した大崎電気の守りに対し「もっとシンプルに突破を狙うべきだった」と反省した。
後半開始後に4点先行されても食い下がった。しかし15分ごろから攻めあぐねる。守備を崩せず、単調なミドルシュートが防がれ、ターンオーバーが重なった。リズムが崩れ5連続失点で6点差。終盤に立て直したがこの失点が響いた。
石川は「古巣相手にコラソンで勝つことは一つの目標。勝負どころの試合運びが整理できれば勝ちきれた」と、リーグ戦終盤の再戦で勝利を誓う。
大崎電気(8)
33―29(16―15,17―14)
琉球コラソン(2)
【評】コラソンは前半、堅い守りからリードする時間帯もつくるなど一進一退の接戦を繰り広げた。後半も速攻で連続得点するなどせめぎ合ったが、中盤に攻め手を欠くとミスも重なって一気に6点差をつけられる。終盤に粘りを見せたが追いつけなかった。
◆防御シフトは収穫
黄慶泳監督の話 後半の中盤以降、相手のキーポイントをしっかり封鎖する防御シフトができたことは収穫だった。攻撃で無理なシュートから逆速攻される場面が多く見られた。上や横のスペースを使う展開をしてほしかった。