家族で感染、自宅療養 幼児の対策に難しさ<本紙記者コロナ体験記>


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パルスオキシメーターで血中酸素濃度を測る記者。至って正常値だった=15日

 「検査の結果、陽性でした」。8月29日、那覇市保健所から4歳になる息子の新型コロナウイルス感染を告げられた。通っている市内の保育園で陽性者が出たため、濃厚接触者として28日にPCR検査を受けていた。幸い息子は1回吐いただけで元気だった。日頃から「誰が感染してもおかしくない」と思っていたが、「家庭内感染が広がって誰かの症状が悪化したら」と考えると不安ではあった。

 検査時に配布された、家庭内感染を防ぐための注意点を記した紙を確認すると、「部屋を分けましょう」と冒頭にあった。狭いアパートに住み、陽性者が幼児であるため、ずっと個室にいてもらうことは不可能だった。息子は長時間マスクを着けることもできない。大人だけでもマスクをし、食事や寝る場所を分けるなど工夫をした。

 妻の体調はすぐに悪化した。8月31日に私と妻も行政検査を受け、妻は陽性だった。味覚障害があり気分も悪く、つらそうだった。息子は妻に甘えて離れようとしない。妻だけホテル療養をすることも、妻と息子の2人でホテル療養をして、妻に面倒を見てもらうことも不可能だった。

 家族全員が陽性者や濃厚接触者になり外出できなくなった。食料の確保のため、実家から冷凍食品などを持ってきてもらった。その後はインターネットで注文できるスーパーの宅配を活用した。

 対策の効果があったのか、私はしばらく無症状だった。だが9月9日の夜に発熱し、12日に検査で感染が判明した。自宅療養を経験して、特に幼児が陽性者の場合は家庭内感染を防ぐことは難しいと感じた。

(伊佐尚記)

 

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