【識者談話】公約実現への工程、透明性向上を(宮城和宏・沖縄国際大教授)


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 玉城デニー知事の任期が残り1年になる中、291件の公約のうち達成は5件、達成率は1・7%にとどまった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響も若干はあるとは思うが、それにしても低すぎる。本気度が疑われる感さえある。「カジノ誘致反対」も完了項目になってるが、知事が特段何かしたわけでない。

 公約実現に向けたロードマップが作成されていないか、県庁内できちんと共有されていないのではないか。もしあるのならば、県民に公開して意見を募るなど、透明性を高めるべきだ。

 そして「推進中」としている公約が280件あるが、この進捗(しんちょく)度合いも分からない。残り任期でほとんど終わるという見込みがあるのならば、現段階の低い達成率も理解できる。この辺の情報もない。

 今はコロナ禍なので、達成が厳しい公約も出てきている。例えば観光関連や県産品の販路拡大の項目などだ。だからこそ、これから残り1年でプライオリティー(優先順位)をつけて高いものから着実に実行するべきだ。

 今後は「ウィズコロナ」の時代になるので、時代潮流に沿った公約を達成することが望ましい。視点を少し変えていく必要がある。(経済学)