9月29日午前10時ごろ、米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が基地に戻る途中、同基地近隣で誤って訓練用フレア(照明弾)を発射した。沖縄防衛局から通報を受けた県が30日、公表した。沖縄市高原から北中城方面に見えたとの目撃証言があり、民間地上空だった可能性もある。同型のF15は30日も嘉手納基地を離着陸して飛行を続けた。30日午後3時ごろと午後4時ごろ、同基地に緊急着陸した。
29日午前10時ごろ、沖縄市高原にいた目撃者は「北中城村のイオンモール沖縄ライカム方面の上空に見えた。ごう音で飛ぶ戦闘機にカメラを向けて撮影していると、戦闘機がフレアを発射した。放出の時、白い帯が見えた」と話した。
防衛省によると、米側は「地上から約915メートルの上空で発射したフレアは、分解され約610メートル上空で消えた」と説明している。
県に防衛局から情報が届いたのは、誤射から約10時間後の29日午後8時ごろだった。県の金城賢知事公室長は30日夕、防衛局に電話し「人命や財産に関わる重大な事故につながりかねず、県民に大きな不安を与える。極めて遺憾だ」と抗議した。原因の究明や再発防止措置の徹底、事故調査と報告の迅速化を求めた。
防衛局も29日、米空軍に対し、迅速な情報提供と再発防止、安全管理の徹底を申し入れた。
2016年にも嘉手納基地所属F15のフレア誤射があり、基地内上空で3発放った様子が目撃された。