国頭村が2016~17年度に宇良地区の村有林約3ヘクタールを伐採し、その後植林した事業を巡り、補助金支出が適正かどうかを問う「第3次やんばる訴訟」の判決で、那覇地裁(福渡裕貴裁判長)は12日、「補助金交付の実体的な要件を満たす事業だった」として住民側の請求を棄却した。
訴状などによると、国頭村は沖縄振興の一括交付金制度を使い、対象区域の樹木を全て伐採した後に植林する事業を実施。県から村に16年度分として約584万円、17年度分として約287万円が交付された。住民側は「生物多様性豊かなやんばるの森を破壊するものだ」と批判。補助金の支出は違法だとして、当時の県幹部に賠償させるよう県に求める住民訴訟を2017年12月に起こした。
県側は対象地を含む周辺一帯がかつてパイン畑として利用されており、森林としての機能は低い場所だったと反論。村の森林整備計画でも木材生産の維持を図る土地に区分されているとし、機能回復整備事業に該当するとして事業の正当性を主張していた。