米軍がPFAS流出を非公表 普天間で2019、20年にも発生、基地外にも


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米軍普天間飛行場

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)で、泡消火剤などの非公表流出事故が少なくとも2件起きていたことが12日までに分かった。非公表事故は2019年8月29日と20年1月16日に発生し、有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)を含むとされる水成膜泡消火薬剤(AFFF)や混合水が流出し、20年1月の事故では基地外への流出もあった。

 本紙が米国の情報公開制度を利用して入手した在日米軍の流出事故報告書に記載があった。20年1月の事故は、航空用消防車から隊員の誤操作で34ガロン(約128リットル)の泡消火剤が流出した。隊員らが基地内で回収作業をし「ほとんどは回収したが少量の泡消火剤が水路に入って回収できなかった」として、基地の外へ流出したことを認めている。

 19年8月の事故ではPFOS(ピーフォス)などを含む「旧来の」泡消火剤100ガロン(約378リットル)が流出した。基地内での交通事故で、消火剤を積んだ消防車のタンクに穴が空いて流れ出た。報告書では「不明な量の消火剤が水路に入った」とするが、基地外への流出は「なかった」としている。本紙は在沖米海兵隊に2件の事故について日本側に通報しなかった理由を問い合わせたが、12日までに回答はない。

 今回、本紙は既に明らかになっている普天間飛行場からの流出事故4件についても報告書を入手した。18年1月12日と同年6月12日のジェット燃料流出事故と、19年12月5日、20年4月10日の泡消火剤流出事故に関連するもの。

 18年1月と6月の燃料流出事故については発生当時は明らかになっておらず、20年3月に防衛省が報道を受けて公表した。19年12月の泡消火剤流出事故は、米軍は発生4日後に「基地外流出はない」として公表したが、後に基地外流出が判明している。 (塚崎昇平)