映画「島守の塔」撮影再開へ 休止中に考えたことは 五十嵐匠監督が講演 琉球フォーラム


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 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・玻名城泰山琉球新報社長)の10月例会が13日、那覇市おもろまちのザ・ナハテラスで開かれた。映画監督の五十嵐匠氏が「映画『島守の塔』完成に向かって」と題し、講演した。

 沖縄戦当時、食料確保や疎開に尽力したとされる島田叡(あきら)沖縄県知事と荒井退造県警察部長の姿や、県民の苦悩を描く映画「島守の塔」が昨年3月、県内でクランクイン。だが、新型コロナウイルス感染拡大と緊急事態宣言を受け、昨年4月に撮影休止を発表した。監督の五十嵐氏は休止期間中「1番考えたのは命についてだった」と振り返った。

 青森県の生まれ。幼い時、移動中の列車で高熱を出し、同乗していた青森県の保健師の草分け・花田ミキさんに助けられ、当時東奥日報でも報じられた。「生かされている意識がある」と話し、今回の映画製作に至る経緯やこれまでの作品に込めた思いを語った。

 「島守の塔」撮影は11月18日、栃木県で再開する。12月には県内の撮影に入る。「ついに再開でき、みんな全力で取り組んでいる。ぜひ期待いただきたい」と語った。

「映画『島守の塔』完成に向かって」の演題で講演する五十嵐匠氏=13日、那覇市おもろまちのザ・ナハテラス
五十嵐匠氏の話に聞き入る会員ら=13日、那覇市おもろまちのザ・ナハテラス