激戦地土砂の辺野古使用 岸田首相は中止明言せず「現地で判断されるもの」


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糸満市米須の土砂採取場所=2021年5月(小型無人機で撮影)

 【東京】日本記者クラブが18日開いた与野党9党首公開討論会で、岸田文雄首相(自民党総裁)は米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に、沖縄戦戦没者の遺骨が混じる可能性がある本島南部の土砂を使用することについて、「まだ確定したものではない。ぜひ現地で、しっかりした意思疎通の基に判断されるものである」と述べるにとどめ、使用中止を明言しなかった。

 岸田氏に質問した社民党の福島瑞穂党首は「防衛省はリストに挙げている。やめると言えば止まる。結局は政府が遂行しているとしか言いようがない」と批判した。

 岸田氏は、衆院選の公約に辺野古移設の「中止」を掲げている立憲民主党の枝野幸男代表に対し、「危険性が指摘される普天間(飛行場)は現状のままでいいのか、米国と何を話し合うのか」と質問した。枝野氏は沖縄地域での米海兵隊のプレゼンス(存在感)は必要とした上で、米国とは「何のために必要なのか、ゼロからお互いの認識を共有し合っていく。その上で、どういう在り方がいいのかを協議していきたい」と述べた。

 これに対し岸田氏は「国民の皆さんに対して、しっかりと議論の中身、必要性、丁寧に説明することが大事だ」と注文した。