沖縄初の芥川賞作家、大城立裕さん追悼シンポ 24日開催 実行委「復帰50年考えたい」


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大城立裕さんの追悼記念シンポジウムへ来場を呼び掛ける(左から)大城貞俊さん、又吉栄喜さん、山里勝己さん、崎浜慎さん=18日、那覇市の県庁

 沖縄初の芥川賞作家・大城立裕さんが、昨年10月に他界してから1年となるのを機に開催される「大城立裕追悼記念シンポジウム」の実行委員会は18日、県庁で記者会見し、シンポジウムへの来場を呼び掛けた。同実行委は「復帰50年を迎え、沖縄の過去、現在、未来を考える良い機会」などと意義を強調した。

 会見を開いたのは、同実行委の共同代表を務める芥川賞作家の又吉栄喜さん、元琉球大教授で作家の大城貞俊さん、元名桜大学学長の山里勝己さん、作家の崎浜慎さんの計4人。

 基調報告で登壇する又吉さんは「大城立裕さんの文学は時空が広い。沖縄の田舎の路地を語り、南米の大地も語る。若い頃から徹底した取材を重ねている」などと指摘し、大城立裕さんの作品への理解を深めていきたいと語った。

 同じく基調報告をする山里さんは、戯曲や新作組踊の作品も相次ぎ創作した大城立裕さんについて「(創作した新作の)組踊は、うちなーぐちの最後のネーティブスピーカーとして、後世に残す遺言のようなものではないか」と指摘し、議論を深めたいとした。

 パネルディスカッションで登壇する崎浜さんは「いろんな角度から論じ、沖縄の文学や社会にどのような影響を与えたのか考えるきっかけにしたい」と呼び掛けた。

 進行役を務める大城貞俊さんは「大城立裕さんを通して、沖縄のアイデンティティーとは何かについても話したい」と語った。

 同シンポジウムは24日午後2時から午後4時半まで那覇市おもろまちの県立博物館・美術館で開催される。入場無料。

 問い合わせは実行委員会事務局(電話)098(890)4343。