沖縄知事「辺野古工事は進んでいないと認識」 県議会決算委に出席


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7年ぶりの知事出席となった県議会決算特別委員会の総括質疑で答弁する玉城デニー知事=20日、県議会

 沖縄県議会決算特別委員会(大城憲幸委員長)は20日、玉城デニー知事へ総括質疑をした。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、総埋め立て事業費約7200億円のうち、沖縄防衛局は2020年度末までに2573億円を執行したが、玉城知事は「現時点の土砂投入量は全体必要量の(21年8月末時点で)7・8%と推定され、工事は進んでいないと認識している」と述べた。玉城知事が就任前に掲げた公約のうち、既に「完了」した5項目には「新基地建設の反対」は含まれていないと説明した。照屋守之氏(沖縄・自民)への答弁。

 決算特別委の総括質疑に県知事が出席して答弁するのは14年の仲井真弘多知事(当時)以来、7年ぶり。

 20年度末までに策定予定だった与那原町と西原町にまたがる地域に計画される大型MICE施設(研修・会議などのビジネスイベント施設)の基本計画について、玉城知事は22年1月に公表を目指すと明らかにした。大型MICE施設の整備計画を巡っては、調査費と土地購入費を合わせて計約72億1千万円を費やしているとも説明した。

 玉城知事は「今後より積極的な投資開発の検討を期待するとともに、公費負担の圧縮にもつながることから事業の基本的な枠組みを基に検討を重ねたい」と述べた。大浜一郎氏(沖縄・自民)への答弁。

 総括質疑は、20年度一般会計決算などを審議する過程で各常任委員会から上がった辺野古新基地建設計画への対応、大型MICE施設の経過などの要調査事項7項目を審議した。質疑後、決算特別委は20年度一般会計決算など認定24件と議案1件を全会一致で可決した。