SNS企業の内部告発 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[232]


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モバイルプリンス

 

SNS大手Facebook社で働いていた女性が内部告発【※1】を行い、話題となっています。「体形に不満を持っている10代の女の子の32%は、インスタグラムを見ると気分が落ち込む」との情報を持っていながら、企業として対策を取ってこなかったというのです(Facebook側は反論しています)。

こうした問題点は以前から指摘されていましたが「会社側は知っていたのに見て見ぬふりをしていた」となれば「たくさんもうけるためにユーザーを不健康にしている」ということで、問題がさらに大きくなります。

 

※1 女性が内部告発 … 社で働いていたフランシス・ホーゲンさんが内部資料を入手し、その問題ある行動を報告しています。ホーゲンさんは「利用者の安全より会社の利益を優先している」と批判しています。

 

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見た目や外見、体形だけで人を評価することを「ルッキズム(容姿至上主義)」と呼びます。

若者向けSNSとルッキズムの相性は良く、「かわいい・かっこいい」とされている人たちに人気が集まり、憧れを持ってしまう構造です。SNS企業は広告しているファッションアイテムや化粧品、サプリメントなどを売るために、ルッキズムを後押しする投稿をたくさん見せているということですね。

 

モバイルプリンス

 

SNSは楽しくて、新たな発見を得ることができるかもしれませんが、同時にルッキズム的な価値観を押し付けられ、落ち込んでしまうこともあるということです。

SNSを見て落ち込むのは、みなさんが人と比べて劣っているからではありません。そうした構造になっていて、企業側ももうけるために放置している可能性があるからです。

それを踏まえ、「SNSを使う時間を決める」「落ち込んでいる時だからこそSNSを見ない」などのルールを作って使用してみてください。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/