大浦湾でバクテリア増加 水質悪化を懸念 自然保護協調査


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
シアノバクテリアに覆われるサンゴ=27日、名護市大浦湾のハマサンゴの丘(日本自然保護協会提供)

 【名護】日本自然保護協会などは26、27の両日、名護市の大浦湾でサンゴの状態を調べるリーフチェックを実施した。サンゴが海底を覆う割合を示す被度は改善傾向にある一方で、水質が悪化した時に増えるシアノバクテリアが昨年2月の前回調査より増えた地点があった。またサンゴを覆って窒息死させる海綿生物の一種「テルピオスカイメン」を確認した地点もあり、水質悪化が懸念される。

 同協会などは、年1回をめどに、米軍キャンプ・シュワブ沖の臨時制限区域外側の4地点を定点観測している。

 被度は市安部に近いチリビシで前回比13・2ポイント増の23・8%、ハマサンゴの丘で同16・9ポイント増の57・5%、沖の瀬で11・3ポイント増の51・9%と上がった。ユビエダハマサンゴ群集は0・6ポイント減の58・7%だった。

 テルピオスやシアノバクテリアはいずれも水質悪化時に増える。ハマサンゴの丘で、シアノバクテリアが前回よりかなり増えた状況を確認した。

 同協会の安部真理子主任は「全体的には健全だが、シアノバクテリアが増えて悪い方向に転じようとしている。新基地建設が水質に影響している可能性がある」と述べた。