養殖スギ500匹死ぬ 出荷直前…被害額250万円以上 軽石被害「先が見えない」


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軽石の影響で大量死している琉球スギと確認する関係者=17日、うるま市の池味漁港(久米水産提供)

 【うるま】大量の軽石が沖縄県内に漂着している問題で、うるま市の久米水産(久米清一社長)で養殖の琉球スギが500匹以上死んでいることが分かった。海面に浮かぶ軽石の誤飲やエラに詰まるなど、酸欠状態になったことが原因と見られる。11月1日に出荷予定だったため、沖合から同市池味漁港にあるいけす内に移動させ、準備を進めていた。1尾5千円ほどの価格で販売しており、被害総額は250万円を超える。

 市池味漁港には13~14日にかけて大量の軽石が押し寄せ、港湾内を埋め尽くした。風の影響で17日ごろには別の場所へ流れていったが、いけす内の琉球スギの大量死が確認された。同水産の久米清吉さんは「初めてのことで対応の仕様がなかった。自然のことなのでどうしようもないが残念だ」と語った。同水産では多い時で年間4~5千匹の琉球スギを出荷しており、今回大量死したスギは今年最後の出荷分だったという。

 港湾外には、依然として帯状に広がる軽石が残っている。久米さんは「まだ先が見えない。(県や国には)補償などの対策を取ってほしい」と話した。