高江の機動隊派遣訴訟、二審も住民側の請求棄却 東京高裁


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

 【東京】米軍北部訓練場のヘリパッド新設を巡り、警視庁の機動隊を合理的理由もなく東村高江周辺に派遣し、公金を支出したのは違法だとして、東京都の住民150人余りが当時の警視総監に賠償請求するよう都に求めた住民訴訟の控訴審判決が29日、東京高裁であった。判決で同高裁は住民側の請求を棄却した一審判決と同じく、住民側の訴えを退けた。

 同種の訴訟は東京のほか、名古屋、福岡、那覇の地裁でも起こされ、いずれも一審で住民側の訴えが退けられた。二審では、名古屋高裁が10月7日に一審の判決を変更し約110万円の請求をするよう愛知県に命じた。同県警本部長の派遣決定が専決で処理された点を違法と認定した。これを受け愛知県側は判決を不服として上告している。

 東京高裁では、愛知県と派遣規定の違いもあり、都の派遣決定は、都公安委員会で持ち回り決裁されたため争点とならなかった。都公安委が複数回、派遣決定したことについては抗議活動に伴う警備の必要性に言及し「著しく不合理なものではない」と判断した。

 また警視庁機動隊が工事現場周辺の反対派市民の車両とテントを強制撤去したことについても「道路交通法の各規定に照らして直ちに違法であるとはいえない」と判示した。住民側の弁護団は判決後に「極めて違法、不当な判決で看過できない」と声明。「上告に向け検討する」と話した。

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