選挙とネット情報 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[233]


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モバイルプリンス

 

昨日は衆議院議員総選挙の投開票日でした。小中学生の皆さんには選挙権がなく、投票することはできませんが、18歳から投票できるようになるので、今からニュースをチェックして準備するのも良いでしょう。

現在の選挙のルールでは、スマホを使って投票はできませんが「選挙運動」は可能です【※1】。候補者や支持者たちがSNSを使ってアピール・応援を繰り広げています。スマホで選挙の情報が集められるのです。

 

※1 選挙運動は可能 … ただし、18歳未満の選挙運動は法律で禁止されています。特定の候補者を当選させる目的で情報を発信することが選挙運動にあたりますので注意が必要です。

 

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手軽に選挙の情報を集められるメリットの一方、選挙に関するデマ・うそがSNSで拡散されることもあるため注意が必要です。

2016年のアメリカ大統領選挙では「フェイクニュース(うそのニュース)」という言葉が大きな話題になりました。金もうけのためにフェイクニュースを大量に作りSNSに投稿する若者が現れ、SNS企業もアクセスが稼げるからと放置したとのことでした。

今回の衆院選でも、正確さに欠ける情報がたびたび拡散され、スマホやSNSだけで情報収集する難しさも感じます。

 

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選挙に限らず、正しい情報だけを取り込み、全てを正確に判断するのは難しいです。特にSNSでは自分に近い考えの人たちとの交流が増えるため【※2】、似たような意見を目にして、たとえフェイクニュースでも「みんな言っているから」と信じるようになってしまいます。

情報を完璧に見極める特効薬はなく、毎日の積み重ねで判断する力を磨くしかありません。難しいからこそ私は「自分なりに少しずつ考えるのが楽しい」と感じ、投票に行こうと思います。

 

※2 自分に近い考えの人たちとの交流が増えるため … こうした現象を「エコーチェンバー現象」と呼びます。また、SNS・ネット企業も、私たちが読んでいるニュースを分析し、同じような意見だけを見せてくるようになります。こうした現象は「フィルターバブル現象」と呼ばれ、いずれも知らず知らずのうちに私たちの情報を偏らせてしまう原因になっています。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/