「遺骨土砂、辺野古の埋め立てに使わせないで」具志堅さんが当選者に要望


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 衆院選では、米軍普天間飛行場の移設先の名護市辺野古を抱える沖縄3区で、移設に反対する「オール沖縄」勢力の屋良朝博さん(59)が敗れた。県内4選挙区の自民候補との対決が「2対2」の結果となり、関係者にさまざまな思いが交錯した。

 辺野古埋め立てに本島南部の土砂を使用する計画撤回を求める、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表(67)は、テレビで開票速報を見守った。「当選議員には、遺骨の混じった土砂を埋め立てに使わせないよう頑張ってほしい。保守、革新の問題ではなく人道上の問題だ」と強調した。オール沖縄勢力が議席を減らしたことには「厳しい状況だ」と声を落とした。

 辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では一夜明けた1日も抗議行動が続いた。當間嗣朝さん(79)=南城市=は、今回の結果について「移設反対の民意を示してきた沖縄にとって大変なマイナスだ。今後も反対の声を絶えず上げ続けるだけだ」と力を込めた。

 辺野古に住み、条件付きで移設を容認する盛龍也さん(63)は「移設反対の民意も、コロナ禍の厳しい経済状況の中で『国に助けてほしい』という方向に変わったのでは」と推察する。新基地建設について「誰が当選しても止められない。基地ができたら住みにくくなるので、区民補償に取り組んでほしい」と望んだ。