きょう中小企業診断士の日 経営課題を共に考える 来月3日まで無料相談会実施


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企業の経営状況などを聞いて方針を話し合う中小企業診断士の瑞慶山大氏=10月26日、本島南部

 4日は「中小企業診断士の日」。1948年に、経営の専門家を活用する中小企業診断制度が始まったことに由来する。経営状況を把握し、経営者に今後の展開などを助言する国家資格で「中小企業のかかりつけ医」とも呼ばれる存在だ。近年では知名度も上昇し、2021年度の第1次試験申込者数は前年度比21.4%増の2万4495人で、県内の申込者数も過去10年で最多の219人となった。

 中小企業診断士の特徴は、社会人としてのキャリアで培った武器を生かす人が多いことだ。那覇市のうりずん経営パートナーズの瑞慶山大氏(53)は、県内の地方銀行に勤務していた2001年に資格を取得。50歳で退職して、現在では県内4社の顧問として経営コンサルタントをしている。銀行員時代の知識や経験を生かして、金融機関との調整などを強みとしている。

 銀行員時代にも顧客企業の経営改善に携わることが多かったが、現在はさらに経営に深く関わる。顧問企業の経営者は「自分たちとは違う、専門家の視点のアドバイスでとても助かっている。私たちからは直接従業員に言いづらいことを伝えてもらうこともある」と話す。瑞慶山氏は「経営者に対して、俯瞰(ふかん)的な視点を提供しながら、課題をどうやったら解決できるかを一緒に考えている」と話す。

 県中小企業診断士協会の神谷繁会長は、診断士が中小企業のより身近な存在になるよう、さらに認知度を高めていきたいと話す。「中小企業診断士は、過去の数字を基に、将来の目標を作って経営改善の中心を担う仕事だ。企業の業績が良くなっていく姿に、やりがいを感じる」と話した。

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 県中小企業診断士協会は4日から12月3日まで無料の相談会を開催している。申込期限は11月24日午後5時までで、相談料は無料。詳細は同協会のホームページなどで確認できる。