「時短命令は違憲」飲食業者が提訴 沖縄県に損害賠償を求める


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那覇地方裁判所(資料写真)

 新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に基づき、酒類などの提供停止と時短営業の命令を県が6月に出したのは違法で、憲法が保障する営業の自由にも反するとして、那覇市などで飲食店を経営する「MTコーポレーション」(仙台市)は10日までに、沖縄県に約12万円の損害賠償を求める訴訟を那覇地裁に起こした。9月1日付。

 県によると、特措法に基づく命令の違法性を問う訴訟は県内で初めて。MT社側の代理人によると、全国的にも例が少ないとみられる。

 訴状によると、県は6月11日、時短営業などの要請に応じなかった61施設に、営業時間を午後8時までに変更することなどを命じた。MT社が経営する1店舗も対象となり、県の命令に従って5日間、酒類とカラオケ設備の提供をやめ、時短営業をした。

 MT社側は、発令された6月11日時点では、県内の感染状況は収束局面にあり、全国的にも6月21日には沖縄以外の緊急事態宣言が解除されるほどだったと指摘。発令の要件である「全国的かつ急速なまん延」は認められず、命令は違法だとしている。

 さらに、命令の根拠となっている特措法施行令などの規定が「営業の自由に対する過剰な規制であり、違憲だ」と主張。仮に合憲としても、発令の必要性があったとは言えず、命令の適用は違憲としている。

 MT社側は「今回の訴訟により、飲食業への強力な私権制限は間違いだったという終わり方をしておかないと、人権を軽視した私権制限が横行する国家になりかねない」とコメント。県側は「対応は妥当だった」として、請求棄却を求める考えを示した。